腹筋運動(クランチ)詳細解説1
それでは詳細解説の序章として、体を丸めて行う腹筋運動(クランチ)を始める前の準備段階での注意点について、詳しく解説していきましょう。
足の位置と高さ
クランチ(腹筋運動)を行う時の足の位置については、厳密な決まりがあるわけではありません。
ただ、初心者の方にもっともお薦めしたいのは、上の図のように膝を曲げた状態で低めのベンチや椅子などに足をのせて行う腹筋運動です。
この体勢で行えば、「腰を支点にして上半身を起こす」という間違ったフォームで起き上がりにくくなるため、自然とクランチ本来の「体を丸める」動作が行いやすくなるためです。
ただし、トレーニングに慣れて「腹筋を収縮させて体を丸める」という感覚を身に着けている方であれば、足を床に着けて行ったり、空中に浮かせたままのフォームで腹筋運動を行っても良いでしょう。
また、足の位置はフォームの維持だけでなく、腹筋運動の効果にも影響を与えます。
例えば足が高い位置にある状態、つまり太腿が体に近い状態にあるときは腹筋がギュッと収縮した時の負荷が強くなりますし、逆に低い位置にある状態、太腿と体との距離が遠い時は、動作の中間で筋肉にがかかる負荷が強くなります。
応用編としてはベンチから上半身を乗り出すようにして行う腹筋運動などもあり、筋力トレーニングの上級者はこれらの腹筋運動を使い分けることによって腹筋運動の効果を引き出す、というようなテクニックを使ったりするのです。
手の位置は?
腹筋運動を行う手の位置に関しても、はっきりした決まりはありません。
一番イメージしやすいのは両手を頭の後ろで組んで行う腹筋運動だと思いますが、この姿勢だと両手に力を込めて頭の後ろをグッと押すことで起き上がろうとして、首などに余計な負担がかかりやすいという欠点もあります。
手をお腹の上に置くことによって腹筋の状態を確認しながら行う方法は、特に腹筋の収縮を意識しにくいという初心者の方には有効だと思いますが、腹筋運動の回数が増えてくると、ちょっと首が疲れるのが難点です。
概要編では、頭の重さを軽く支えつつ、無駄に腕の力を使わないように、両手を頭の横に軽く添えるようにして行う方法を解説していますが、運動経験や体格の個人差に合わせて調整していただければと思います。
なお、手の位置は腹筋から遠いほど、言い換えれば動作の支点(腹筋の位置)から上に上がるほど、テコの原理でトレーニング負荷が大きくなります。
そういう意味では筋力に自信の無い初心者の方は、お腹の上に手を乗せたフォームで始めるのが良いかも知れません。
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