懸垂(ワイドグリップ)の調整
それでは、懸垂(ワイドグリップ・チニング)をトレーニングメニューに組み入れる場合の負荷の強さやセット数、フォームの調整方法等についてまとめてみましょう。
懸垂(ワイドグリップ)の重量とセット数
・標準的なレップ動作を繰り返す回数のこと。
数:6~15回
・標準的なセット数:3~4セット
懸垂は自分の体重のほとんどが自動的に重量負荷となる筋力トレーニング種目。
体を分割するのはムリですから、ダンベルやバーベルのように「ちょっと重すぎるからウェイトを減らそう」という調整ができないのが欠点です。
(そのため、少ないレップ動作を繰り返す回数のこと。
数を「目安」の範囲に含めています)
実は広い背筋と上腕二頭筋の力で全身を引っぱりあげるというのはかなりの重労働なので、初心者のは「正確なフォームでやろうとすると1回もできない・・・」ということも珍しくありません。
そのような場合はムリをして懸垂(ワイドグリップ・チニング)をトレーニングとして採用するよりも、まずは重さを調整しやすいラット・プルダウンや斜め懸垂等で基礎筋力を付けてから挑戦するのが良いでしょう。
特に斜め懸垂は鉄棒さえあればどこでも出来るので、トレーニングメニューに組み入れやすい種目です。
また、1セット目は10回出来ても、2セット目は5回、3セット目は3回・・・というように、上記の「目安」回数を下回ってしまう事もよくありますが、トレーニングの性質上、これは仕方が無い事だと思います。
全セット数の目安としては、3~4セットくらいがちょうど良いでしょう。
なお、3~4というセット数は、フォームの確認やウォームアップのためのセットを含まない「トレーニング本番」としてのセット数ですのでご注意ください。
どうしても懸垂をやりたい!という場合
懸垂で背中を鍛えたいのに、筋力が追いつかない・・・という場合は、以下のような方法があります。
グリップ幅を徐々に広くする方法
「ナローグリップ(狭いグリップ幅)の懸垂ならできる」という人は、その回数を増やしつつ、徐々にグリップ幅を広げて行くようにしてみましょう。
稼動範囲を限定する方法
踏み台に乗ったり、スタンドの途中のステップを利用して、腕をある程度曲げた状態(つまり本来の懸垂の中間の状態)から懸垂(ワイドグリップ・チニング)をスタートする方法です。
慣れるに従ってだんだんとスタート位置を下げていけば、やがてちゃんとした懸垂が出来るようになるでしょう。
下りだけの懸垂を行う方法
これも踏み台などを使い、体が持ち上がった状態(つまり本来の懸垂のトップ・ポジション)から体を下げる動作だけを、できるだけゆっくり行う方法です。
ただし、この方法は体に負担がかかりやすく筋肉痛も強く出やすいので、やりすぎに注意してください。
自分の体重だけでは負荷が足りない場合
自分の体重だけだと15回以上の懸垂(ワイドグリップ・チニング)が出来てしまうという人は、器具編で紹介したディッピング・ベルトのような器具を使って腰に重りをぶら下げると良いでしょう。
筋力が上がるのに合わせて重さを増やしていくようにすれば、筋肉の量を増やしたり最大筋力を向上させるのにとても効果的です。
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